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三者面談は国境を越えて

中学3年生の希望者を募り、三者面談が進行中だ。



進路の様々な相談はもちろんだが、少しずつ具体的な目標を決め、


それを燃料にして、さらに力を入れていこうという目的もある。





その中で、今日の三者面談はちょっと珍しいものだった。




本人は日々勉学や部活に励んでいる。



このところ特に学力をつけているひとりで、


その頑張りを親御さんの前でも褒めてやりたかった―


が、ご両親は海外赴任中なのだ。




というわけで、海外赴任でご多忙のところだろうから、


私の方から本人との二者面談を持ち掛けようと思っていた。




その矢先だった。




当の塾生から、先週末、国外の親御さんを交えての三者面談はできるかどうかとの


伺いのメールが届いた。



もちろんだ。喜んで。





時差があるので、日本時間に合わせていただくのが恐縮ではあったが


常時Webを使用している本人にとっても、運用している私にとっても何ら問題はない。




資料の提示もむしろやり易いぐらいだ。






国外在住者とのオンライン接続はままあるが、三者面談となると初めてだ。




初めての形式での面談が内心楽しみでもあった。




秒針を合わせたように定刻通りにWebアクセスが通知される。




こんなところにも人となりは見えるものだ。




面談は、本人の進路の話題と現地でのご両親の生活の話題を行ったり来たりしながらだった。




お陰で異国の興味深いお話を様々聞くことができた。




百聞は一見に如かず―とは言うが、


ICTのこの時代、現地とリアルタイムでつながった百聞の情報量は膨大だ。




実際、視覚からも情報が入るわけだから、もしかすると一見を超えているのかもしれない。




途中からは、お忙しい中、お母様も加わってくださった。




赴任前にわざわざご挨拶に来てくださって以来だが、


明るい表情とお話しぶりに、現地での新生活に馴染みつつある様子が感じられた。





進路相談だったり、異国のようすの話だったりだが、


多少なりとも何かお役に立てる面談になっていたらと思う。






もう一つ、今日は県外の大学で新生活が始まった卒業生の


新たな生活のようすの報告があった。




彼からは1月の大学の出願の際に相談を受け、これまたWeb越しに話をした。




いくつかの出願先で迷っているとのことだった。




候補を聞いて、その系統の学問ならここが実績十分の名門だろうと


正直、私の心の中ではすぐさま決まったのだが、押しつけるのもどうかとはばかられた。




ならばと「せーの」で二人で大学名を挙げることにしたところ、


見事に一致し、大笑いしながら出願先は瞬時に決まった。




彼とは、中学3年間、しかも塾を通じての付き合いだ。




にもかかわらず、人生の大事な選択で相談を受けるというのは、


思えばこの上なく嬉しいことだ。




彼は、まさにどっしりと腰を据えて学問に浸るにふさわしい大学に入学し、


新生活を始めている。







時代はICT。




情報の交換や共有ならば大抵のことは可能だ。




県外だろうと国外だろうと、お話をいただければ相談であれ報告であれ


喜んで受け入れよう。






ICTは、導入すること自体が難しいわけではない。




どう利用するかが問題だ。




あるものが見えてきたとき、ICTは強力な相棒になる。






「あるもの」については今夜は割愛するが、ICTにはもうひとつ難しい点がある。




「そこにあると知ってもらうこと」だ。




それが常時稼働できる状態で整備されていることを知ってもらうことや、


それを利用しようと思ってもらうに至ること、


このことが非常に難しいことなのかもしれない。




創進Webがあると認識してもらえる。




創進Webを保護者の方にも使ってもらえる。




つまり、誰かが必要と思ったり、誰かがあったら便利と思ったときに


「そういえば、あれがあったはずだ」、そうなってこそ本望だ。






その意味でも今回の三者面談は、印象深いものだった。






「やらないことを正当化する理由は要らない」



そう思って立ち上げたツールは、また意外な道につながり始めている。






和やかな盛り上がりゆえ、思いのほか長引いてしまった懇談を終え、


また三者面談を兼ねて是非現地での生活のご様子を教えてくださいとWebを切った。




切り際、ご両親(実は妹さんも!)がにこやかに手を振ってくださった。






面談を終えて四半刻、心地良い余韻の中で、このブログを書き終えた。




またひとつ創進ならではの話題が増えた。




「三者面談は国境を越えて」




創進らしくていいじゃないか。

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